HIS×東大美女図鑑、なんで東大美女だとダメ?
こんばんは、ぱんのです(@lunleee)です。
お祈りされた企業の面接会場で今日はGDだ! 最高にエキサイティーーーンッ!!— ぱんの (@lunleee) 2016年5月12日
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さて、華麗なる炎上をかました、HIS空飛ぶキャバクラ企画についていろいろと考えてみようと思います。自分ひとりの頭では限界があるので、関連のあるツイートを引用しつつ見ていきます。
(昨日炎上して今日には「ごめん不快にさせちまった、やめるわ」と取り下げていますね。企業の炎上に対する対応速度がだんだん上がっている気がするのはわたしだけ? 仕事が早いですね。)
日本最高学府の東大の学生であっても、消費される女性性を受け入れさせてしまうこの社会ってどうなの?
それはあの学生達が浅はかだとかそういう訳ではなくて、東大という日本で一番と言われる大学に通う女子であっても、社会の女性差別に対して「むしろ逆手にとって世渡りするのが賢い」という方式の「賢さ」こそが「賢いこと」だと本当に思っている女子が多い、ということなんだよ。
— くるくるくるくる〜 (@caracolcaracole) 2016年5月11日
HISと東大美女図鑑の件、日本では偏差値に関係無く女というだけで女として消費され、また当事者の女は学力の有無に関わらずそれに気付きにくくNoとも言わない(言えない)という現代の闇を煮詰めた良いサンプルだと思う。
— えぶりたん (@everydaytantan) 2016年5月11日
東大ですらこれなんだから、アインシュタインなんて知っていても、社畜一直線だし、体制への従順さはどうにもならない。あと10年もすれば、お国のために子供を産む立派な母親になってくれますやろ。 https://t.co/imkMhgSw1J
— 赤木智弘(ペパーダイン大学未入学) (@T_akagi) 2016年5月11日
三番目の赤木さんのツイートは、少し前に炎上していたHKT48のアインシュタインよりディアナ・アグロンをふまえています。以下にわかりやすい記事があるので、興味ある方はご覧ください。
上に引用したツイートからは、さすがに東大の学生ともなれば、例の企画の背後には「女性性を消費する」発想があると気づき、断るはずだ、と期待されていることがうかがえます。
“東大生ですら 「女」というだけで消費されるのか。彼女たちは「女」をひけらかさずとも社会を渡っていけるというのに。” という思いが見え隠れしているようにわたしは思えました。
じゃあ、東大じゃなかったら?
確かにこの東大美女図鑑・HIS問題、東大女子じゃなくてアイドルとかだったら誰も叩かなかっただろうし、どうして差が付いたのか……
— twinrail.ut@五月祭コミアカ (@twinrail_ut) 2016年5月11日
東大生じゃなくてアイドルだったら誰も叩かなかっただろう、という意見。
誰も、ということはないにしろ、きっとここまでの騒ぎにはなっていないだろうと思います。なぜなら、アイドルという存在そのものが女性性を売りにする性質を持つから。キャバクラやホスト然り。
先日の朝日新聞にて、きゃりーぱみゅぱみゅへのインタビュー記事がありましたが、そこできゃりーは「わたしはアイドルじゃない。なぜなら男性目線を意識していないから」と言っていました。つまり、きゃりーによると、アイドルかどうかは、男性目線を意識しているか否かで決まる、ということです。これはわかりやすい上に、納得感のある定義づけだと思います。
なによりこの人、だれにも媚びていない。男はもちろん、同世代の女の子にも。オタクにもロックファンにも。(中略)わたしはこっちで好きなことやってますんで、そちらさんも、よろしかったらご一緒に、にんじゃりばんばん? そんなアティテュード。恐いものがない
※アティテュード:態度、姿勢
毒と笑いと傷を含んだきゃりーぱみゅぱみゅが、アイドルブームに終止符を - 近藤康太郎|WEBRONZA - 朝日新聞社
(わたしが読んだのは今年5月に入ってからの紙面版なのですが、ネット上にはこの記事しかなかったので引用しておきます)
そういうわけで、主体的に女性性を全面に出していくスタイルの人たちが、例の企画に参加してもあまり叩かれないだろう、と推測するのはある程度合理的なのではないかと思います。
美女が「東大生である」ことに多くの人が敏感に反応したのは、東大女子が「女性性を商品化すること」に一番遠い存在と思われるからなのではないか、と思います。なぜなら、彼女たちは「女性性」を利用しなくても「知性」という強みで社会を渡っていけるはずだから。
でも、残念ながら、女性って学歴がどれだけ高くても性的評価からは逃れられません。現実問題として。
昔から、仕事や社会的ポジションの確保が最重要されてきた男性に対し、女性においてはルックスが重要視されてきた。女性にとっては恋愛や結婚こそが求めるべき「幸福」とされ、「幸福」の第一条件がルックスであった。
~中略~
そうしたジェンダー規範は、全体から見れば実は現在もあまり揺らいでいない。非モテ男性でも仕事や何らかの才能があれば「人」として評価されるが、非モテ女性のそれは男性のそれと同じような“機能”を果たさない。
『「女」が邪魔をする』大野左紀子、P.122~123(2009年)より引用
「女」が邪魔をする | 大野左紀子 | 本-通販 | Amazon.co.jp
東大女子は、「何らかの才能」を十分に持っているはずなのに、例の企画においては「人」としてまっとうに評価されていていないことこそが、「東大の学生ですら」と問題視されるゆえんなのでしょう。
※東大女子のみならず、いかなる女性もが男性と同じように「人として」評価されないことが根本的な問題なのでしょうが、残念ながら現状としては大野さんの指摘する通りだと思うので、ここではその問題には触れないこととします。
学歴のない女子は「女」としてしか評価されなくて当然でしょ、という姿勢ではないことをここに明記しておきます。
フライトしながら東大女子がいろいろ教えてくれるという企画なので、ちゃんと知性を認めているではないか! という反論がありそうですが、東大生に知性を求める以上、男女ともに企画に登場させるのが筋です。そこを女性に、しかも美女に限定しているので、性的消費・セクハラと非難されても仕方がないのです。
あくまで問題なのはセクハラ的発想
「性差別」に関わる問題をなんでも「セクハラ」と表記するのはやめるべき。今回の事例だって、「セクハラ」であればHIS側は「セクハラ起こりそうと言われたので事前回避しました」みたいな顔ができちゃうわけでしょ?違うのよ、キャンペーンの発想がすでに差別的なのよ、っていう。
— SHIMIZU Akiko(清水晶子) (@akishmz) 2016年5月12日
セクハラ、といえば性的な嫌がらせや蔑視発言というイメージがあるので、今回の件に関して具体的な被害者がいないのではないか、という意見がありますが、上記のツイートの通り、セクハラ的な発想こそが問題です。
気になるもやもやツイート。
HISの「東大美女が隣に座ってくれる」キャンペーン 「セクハラ」批判受け即日中止に
— 小川バー (@offside1962) 2016年5月11日
これがセクハラだと、キャバクラやホストクラブもセクハラだし、マッチョと行くバスツアーなんて論外じゃない?ま、東大と冠が付いた段階で美女のハードルが下がるんだろうから、看板に偽りありかもしれないが…
このような反論もちらほらありますね。性の商品化や性の消費はいたるところで行われているのに、なぜHISだけがこんなに叩かれるのか。
・HISはそもそも旅行会社であり、コンプライアンス的によろしくない
・一般の女子大生は「キャバ嬢」ではないにもかかわらず、機内という逃げ場もない空間の中で「お客様」と長時間相手しなければならない。
・素人には客に求められた行き過ぎたサービスをうまくかわせない可能性が高い
(というか24時間フライトに同行とか、労働基準法的にアウトじゃないのか?)
というような理由が挙げられるかと思います。
【追記】
「東大と冠が付いた段階で美女のハードルが下がるんだろうから、看板に偽りありかもしれないが」という差別的な発言。ひどいですね。一般に難関校ほど美女が多いという説もあるんですよ。
なぜなら、
難関校に入るためには教育費が多くかかる
→お金持ちの家庭である必要がある
→(現在の大学生世代の親に関していえば)主な稼ぎ手として考えられる父親が高収入でなければならない
→美人な妻を獲得できる確率が上がる
→遺伝的に美女が生まれやすい
こんな記事もあります。